脂肪注入

脂肪注入と同様に、足りないボリュームを補う施術として、ヒアルロン酸注入があります。
ヒアルロン酸注入はダウンタイムも少なく手軽に受けていただける施術のひとつですが、体内で分解されるので、いずれ無くなってしまいます。

脂肪注入は、自分の身体から採取した『生きた脂肪細胞』を注入しますので、生着した脂肪細胞は半永久的にボリューム不足を補い、形態を維持してくれます。

身体の中の細胞は、血液から栄養をもらうことで生きています。
脂肪吸引により採取された（血行が無くなった）脂肪細胞は、その時点では生きていますが、間もなく死んでしまいます。

皮下に脂肪を注入すると、周りから新たに血管が伸びてきます。
血管が脂肪に入り込み、血液が供給されるようになることで、注入された脂肪はその場所で生きられるようになります。

ただ、注入した脂肪細胞のすべてが生き残るわけではありません。
一般的には、注入直後から数か月後安定した状態に至るまでの間に、20～50%程度のボリュームが失われると言われています。

コンデンスリッチファット（CRF）とは、ウェイトフィルタを用いた容器で採取した脂肪を遠心分離にかけることで、健全でない脂肪細胞を分離し、状態の良い脂肪細胞を濃縮することを目的とする、脂肪の加工方法です。

特殊な器具を用いたCRF処理の工程は別料金で設定されている施設が多く見受けられますが、

• 画像に示すように、ウェイトフィルタを用いない通常の遠心分離でも、十分高い効果が得られること
• CRF処理の器具を用いることで、お客様が負担する金額が増えてしまうこと

以上の点から、当院ではCRFは採用しておりません。

当院では、基本料金の中に遠心分離による脂肪濃縮の工程が含まれています。

ナノファット化とは、採取した小脂肪塊をさらに細分化し、線維や血管などの不要な成分を除去する作業です。

ナノファット化により採取した脂肪は滑らかな液状になるので、細い針でも容易に注入でき、造形がしやすくなるとともに、内出血のリスクも低減できます。

脂肪細胞はバラバラになることで新生血管との接触面積が増え、生着率が向上します。
生着率が上がることで、術後のボリュームロスも減り、ボリューム不足による再施術の可能性も下がります。

当院では、ナノファット化を行うデバイスとして、BSL社のAdinizer（アディナイザー）を用いています。

Adinizerは、鋭利なメッシュに繰り返し脂肪を通すことで、細分化していきます。
圧力を加えて脂肪を細分化する、従来のナノファットデバイスでは、脂肪細胞の細胞膜が壊れ、生きた脂肪細胞の割合が減ってしまうことが問題でしたが、Adinizerを使用したナノファットでは、脂肪細胞および脂肪幹細胞の損傷が少ないことが証明されています。

脂肪の生着率の向上だけでなく、脂肪幹細胞の作用による美肌効果も期待できます。