ボトックス（ボツリヌストキシン）治療

痛み

針を刺す際と、薬液を筋肉内に注入する際に痛みを伴います。
通常痛みが出るのは注射の時だけですが、まれに数日鈍痛がつづくことがあります。

内出血

針を刺す際に皮下や筋肉の毛細血管に傷がつくと、針穴部分に内出血が生じ紫色になることがあります。
3週間程度で消えていきます。

左右差

基本的に左右に同量の薬液を注射しますが、もともとシワのでき方や筋肉や骨格に左右差があれば、それを補うように注射量を調整します。
ボトックスの効果が安定した時点で明らかな左右差があれば、ご相談ください。

効果不十分

筋肉の強さに対して注射量が足りない場合、効果が十分に出ないことがあります。

あとに述べる抗体産生のリスクを考慮し、短期間での追加注射は基本的に行っておりません。
次回の注射の際に増量をご相談いただけます。

まれにですが、ボツリヌストキシンに対する抗体が体の中で作られることで、効果が弱くなったり、全く効果が出なくなることがあります。

効きすぎ

目的とする筋肉以外に薬液が拡散することで、表情の違和感や、動きに支障をきたす可能性があります。
口周りでは、口を動かす筋肉が複雑に関与しているので、安易に量を増やすことで、口の動きに支障が出ることがあります。
額の注射では、額がゆるみ過ぎて眉が下がり、まぶたが重くなることで、目の印象が変わったり、頭痛や肩こりなどを引き起こすこともあります。

予期しない症状が出た場合、基本的にはボトックスの効果が自然に切れるのを待つしかありません。
心配な方は、少な目の注射量から始めることをおすすめします。
当院ではボツリヌストキシン1単位ごとの料金設定としています。
部位ごとの料金設定ではありませんので、お客様のご希望に沿った施術を、使用量に即した料金でご提供いたします。

食べにくさ、喋りにくさ（人中短縮のみ）

ボツリヌストキシンによる人中短縮では、口輪筋の動きが弱まることで、口を尖らせたり口を強く結ぶなどの動作がしにくくなり、スープを飲む、ストローで吸う、口をゆすぐ時に水が漏れる、ま行／ぱ行の発音などに影響が出る、などの症状が出る可能性があります。
このような症状が出ないよう、当院では人中短縮ボトックスの初回投与量は控えめの4単位に設定しています。

抗体産生

短期間に多量のボツリヌストキシンを注射すると、体の中でボツリヌストキシンに対する抗体ができ、薬が効かなくなることがあります。
注射の間隔と1回の注射量を守ることで、通常は予防できます。

迷走神経反射

施術に対する緊張や痛みの影響などにより、血圧が下がって気分が悪くなることがあります。
しばらくすると落ち着きます。状況に応じて点滴や酸素吸入を行います。

アレルギー

赤みや湿疹、かゆみが見られた場合は、ボツリヌストキシンまたはその添加物に対するアレルギーが疑われます。
内服薬や点滴等により対処いたします。
一旦アレルギーが見られた場合は、以後ボツリヌストキシンの注射を行うことはできません。

末梢神経損傷

エラボトックスや肩ボトックスで極めてまれに生じることがありますが、他の部位でも生じる可能性はゼロではありません。
針を刺した部分にちょうど神経が走行していた場合、神経が傷つき、痛みや易刺激性（ビリビリ感）、感覚の低下や、動きが弱くなることがあります。
内服薬などで対応します。改善まで数カ月を要する可能性があります。症状が残り続ける可能性があります。